対応のある2サンプルの検定

SPSS

2群の連続変数の比較にはt検定、Mann-Whitney検定を用いました。詳細はこちら>>SPSSで単変量解析① t検定とMann-Whitney検定
今回は治療前、治療後のように対応がある場合の検定を行っていきます。パラメトリック検定は対応のあるサンプルのt検定、ノンパラメトリック検定はWilcoxonの符号付順位検定です。

対応のあるサンプルのt検定

連続変数が正規分布をとる場合には対応のあるサンプルのt検定を用います。
今回の例ではLAVCTという検査値が治療の前後で有意な変化をするかどうかということを見ていきます。LAVCTは治療前、治療後の2回測定を行っており、治療前をLAVCT1、治療後をLAVCT2としています。

分析➡平均の比較➡対応のあるサンプルのt検定
ペア1の変数1にLAVCT1、変数2にLAVCT2を入力し、[OK]をクリック。
ペア2にも他の変数を入れると同時に検定ができます。

図1 対応のあるサンプルのt検定

図2のように出力されます。

図2 対応のあるサンプルのt検定 出力

対応サンプルの統計量にはLAVCT1、LAVCT2、それぞれの平均、標準偏差が出力されます。

対応サンプルの検定では帰無仮説は「LAVCT1=LAVCT2である」であり、こちらを検定しています。P<0.01で有意な差があることがわかりました。LAVCTは治療後に有意に低下することがわかりました。

Wilcoxonの符号付順位検定

連続変数が正規分布に従わない場合はノンパラメトリック検定であるWilcoxsonの符号付順位検定を行います。
この例では治療前、治療後のBNPの値の変化をみていきます。治療前はBNP1、治療後はBNP2としています。

分析➡ノンパラメトリック検定➡対応サンプル

図3 Wilcoxonの符号付順位検定

左上のタブを一つずつ選択していきます。
①目的:[観測データを仮説と自動的に比較する]
②フィールド:対応する2つの変数を選択
③設定:[検定のカスタマイズ]➡[Wilcoxon 一致するペアの符号付き順位(2サンプル)]

図4のように出力されます。

図4 Wilcoxon符号付順位検定 出力1
図5 Wilcoxon符号付順位検定 出力2

「BNP1の分布中心=BNP2の分布中心である」が帰無仮説であり、こちらを検定しています。P<0.01で帰無仮説が棄却され、BNPは治療前後で有意に変化することがわかります。

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