SPSSで単変量解析② X2(カイ二乗)検定とFisherの正確検定

SPSS

従属変数、独立変数が両方とも名義変数の場合、X2検定やFisherの正確検定を行います。X2検定は独立の検定とも呼ばれます。

X2(カイ二乗)検定

例では心不全入院患者さんのデータを用います。新薬Drug A使用の有無で心不全再入院率に違いがあるかを見ていきます。従属変数:再入院(ad2)、独立変数:Drug Aの使用(Drug A)としています。

記述統計➡クロス集計表

図1 クロス集計表
図2 クロス集計表の項目

①行と列に従属変数、独立変数を入れます。行は横、列は縦です。逆でもOKです。
②統計量で[カイ2乗]にチェック。
③セルで[観測]、[期待]にチェック。パーセンテージは従属変数を入れたほうにすると見やすいです。ここでは行ですが、両方のパーセンテージを算出したければ、両方にチェックをつけてもよいです。[続行]をクリックすると図3のように出力されます。

図3 クロス集計表の結果


クロス表とX2検定の結果が出力されます。
従属変数は行(横)なので、横に見ていきます。従属変数を列(縦)にした場合は縦に見ます。
この場合は再入院なし群ではdrug Aの使用が146/22(65%)、再入院あり群では40/93 (43%)でした。再入院なし群でdrug Aの使用率が高いという結果ですが、これは有意な差なのでしょうか?
ここでX2検定の結果をみてみると、p<0.01となっており、この差は有意な差であると言えます。結果を報告する場合はこのように記載します。

再入院なし n=226再入院あり n=93p
Drug A (%)146 (65)40 (43)<0.01
図4 結果の記載


度数(パーセンテージ)、群全体の度数を示すnは小文字を使用します。標本全体を占めす場合は大文字です。p値はいろいろな書き方を見かけますが、0.01未満の場合は具体的な値は書かずに、<0.01と書くことが多いです。

Fisherの正確検定

図3のX2検定の表を見てみると[Fisherの直接法]というものも同時に出力されています。つまり、同じやり方でFisherの正確検定もできます。

別の例を挙げてみます。従属変数:再入院(ad2)、独立変数:脳梗塞の既往(stroke)として結果を出力すると図5のようになりました。

図5 クロス集計表(Fisherの正確検定)

通常、全サンプル数が20未満(ここでは185)、少なくとも1つのセルの期待度数が5未満(ここでは1つのセルにおいて期待度数2.6)の場合にはFisherの直接法を使います。
この場合は1つのセルの期待値が5未満であるので、Fisherの直接法を使用します。両側検定と片側検定が算出されますが、基本的には両側検定を採用します。

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